嘆いて 喚いて 目が覚めた
不思議な夢を見た。
とても悲しいことが起きて、
「ああ、自分のせいだ。あの時ああしていればよかった。悲しい。全部自分のせいだ」
と夢の中の自分は嘆いていた。
すると隣にいた人が、
「いいや、これは私のせいだ。私が気づけていれば防げたのに。私のせいだ」
と嘆き出した。
「そんなことはない、これは自分が悪いのだ、あなたのせいではないから嘆かないでくれ」と諭していると、反対隣の人が、
「いやいや、これは僕のせいだ。僕が判断を間違えたんだ。これから出る結果もきっと悪いはずだ。僕のせいだ」
と嘆き出した。
「そんなことはない、これは自分の問題だ、あなたは気にしないでくれ、嘆かないでくれ」と諭すが、聞き入れてはくれない。
そうやって延々と「自分のせいだ」「いや、私のせいだ」「いやいや、僕のせいだ」とやっているうちに苛々し、とうとうブチ切れた。
「これは自分のせいだ!だからこんなに悲しいんだ!あなた達より辛いんだ!だからあなた達が嘆く資格はない!!」
そこで、目が覚めた。
目が覚めて、気づいた。
嘆くのは、辛いからじゃない。
『あなた達より辛いんだから優しくして』という要求だ。
全てを自分のせいするのは、優しさを独り占めしたいだけだった。
ああ、なんて自己中心的だったんだろう。
『自分の責任だ』なんて自己犠牲を払っているようで実は、承認欲求をこじらせてただけだなんて、恥ずかしいにも程がある。
なんでもかんでも他人や世間のせいにするのも良くないけれど、自分以外の責任まで奪って「悲しい、辛い」と嘆くのも、健全ではないのかもしれませんね。
ありのままの事実をそのまま受け取れるようになりたいものです。