読了記録 その9
『秘密と友情』
(春日武彦、穂村弘 / 新潮文庫 / 550円 / 2014年10月1日発行)
⭐️⭐️⭐️⭐️
またこの2人の対談だ〜と思って読み始めたら、妙な既視感。
怪訝に思って確認すると、「2009年3月 角川書店より刊行の『人生問題集』を改題」…。
単行本の時の固くてゆる〜い(※)表紙と題名と全然違うから、気づかなかった…。
(※記憶が混ざっていた。ゆる〜いパンダのは「どうして書くの?」)
悔しいが、猫が可愛いので、許す。
対談なので、当たり前だが普段の穂村さんのイメージと少し違う。「こんな口調で話すのか!」と新鮮。でもやっぱり言葉の選び方に穂村さんぽさが出てくると、「あ!いつもの穂村さんだ!」となんだか安心。
春日さんと穂村さんは、似ているようでちょっと違っていて、でもどことなく同じように現実からふわりと離れていて…そんな2人の言葉の掛け合いが心地よかった。
穂村さんの魅力は、あの「日常につまずく」ところだと思う。
皆が自然に普通にやっていることに「意味」を探していたら踏み外してしまい、「日常」から取り残されてしまいそうであわあわするんだけど、それでも「意味」を追いかけ続け、見つけて掴んだキラキラしたものをまた「日常」に返しに戻ってきてくれる。それが魅力。
「突拍子もない非日常」ではなく、「日常を突き詰めていって見つけたものが皆からみた非日常だった」みたいな感性がどんな思考から生まれてくるのかを、ちょっと除き見れる対談本。