あるきづき

これまで歩いてきた人生と、これから歩いていく人生で気づいたことを綴っていくブログ 〜ご飯と本と、時々、映画〜

読了記録 その17

『実践・森田療法
(北西憲二 / 講談社 / 1,300円 / 1998年12月10日発行)

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⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

認知の歪みを自覚し、自分がより自然に生きていけるように手助けしてくれる本。

 

今まで読んできた自己啓発系の本が伝えたかったことの根本的なことが書かれているのではないか、と衝撃を受けた。

 

この世に溢れている啓発本はつまり、根本的な悩みを解決した上で行われる応用編、もしくは行動面からのアプローチ編。大体の悩みはそれらで解決されるが、時には根深すぎてどうにもならないことがある。そういう悩みをもつ人は、「ああ、また上手く実践できなかった…」と更に落ち込むことになる。

そんな人にこそ読んでもらいたい本。

 

人生は「感情」だ。

「感情」によって「行動」が決まり、「人生」が流れていく。

では、「感情」はどこから生まれるのか?

 

「感情」は、「事実」をどう「認知」するかに左右される。

同じ「事実」に遭遇しても、違う「認知」を通せば違う「感情」が生まれる。

「事実」は変えられないが、「認知」を変えて「感情」を変えることは出来る。辛い・苦しい状況は変えられないが、その状況から「辛い・苦しい」と感じることは変えられる。

 

結果を変えるには、まずシステムを理解する。問題箇所を発見し取り除く。そして、組み替える。

森田療法も同じだ。

「感情」が発生するシステムを理解し、歪んだ「認知」を元に戻し、自然な流れを作り出す。

自然な流れを取り戻すと、生きやすくなる。自然で、自由な人生になる。

 

理解を深め、実践し続けていけるよう、何度も読み返したい。

 

ちなみに、読んでて何度も頭をよぎったのが、漆原友紀の『蟲師』。

あの中で「ナガレモノ」と呼ばれる蟲がいる。自然現象そのもののような蟲で、洪水や台風のように「発生する理由はあれど、目的はない。流れるためだけに生じ、何からも干渉を受けずに去っていく」生き物。

人間も同じなのかもしれない。

ただ生まれ、ただ生きていくくらい自然でもいいのかもしれない。