相手にしなけりゃ『独り言』
他人の声が気になる。
評価的な意味でもだが、現実的な「他人の独り言の声」が気になる。とても。
自分が頭の中の声と対話をする癖があるから余計に気になるのかもしれないが、それにしても今の同僚の独り言は酷い。しかも、両隣。
最初は戸惑った。
自分に話しかけてきてるのかと思ったし、誰か横にいるのかと思った。でも違った。ただの独り言だった。
あれはなんなのだろう?
「あ、しまった!」とか「あれやらなきゃな……」とかなら分かる。自分もやってしまうから。
でもそんなかわいいものじゃない。大きな声で、はっきりと、普通なら相槌が必要になるようなことを話している。こわい。人間て自分の理解が及ばないことに遭遇すると恐怖を感じるというのは本当なんだな。とにかく怖い。
はじめの頃は律儀に返事してたが、そのまま続くくだらない話題に付き合っている暇はないため、今では全てを無視するようになった。楽だ。
独り言のうち半分はただ「どうしました?」とか聞いてほしいだけの構ってアピールだったのだが、それを含めて全てを無視できるのは楽だ。ある意味、大きな独り言だからこそできる荒業だ。名前を呼ばれない限りは返事をしないスタンスを貫いていくつもりだ。
全く交流はないのに賑やかな島。
お互いの領分を侵さない、というより自分の領分を侵されないように生きる術を確立しつつある今日この頃です。