あるきづき

これまで歩いてきた人生と、これから歩いていく人生で気づいたことを綴っていくブログ 〜ご飯と本と、時々、映画〜

読了記録 その15

『うつヌケ  うつトンネルを抜けた人たち』
(田中圭一 / KADOKAWA / 1,000円 / 2017年1月19日発行)

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⭐️⭐️⭐️⭐️⭐️

ちゃんと鬱と向き合ってみようと思うきっかけをくれた本。

 

自分の鬱々とした気持ちや考え方は性格の問題だと思っていたのだが、この本を読んで「あれ?鬱の症状と合致しすぎじゃないかな?」

と感じ、怒涛の関連書籍読破期間へと移行した。

 

田中さん自身だけではなく、何人ものエピソードが掲載されている。スルッと抜けきった人、まだまだ真っ只中の人、上手く付き合いながら生きている人、通院していた人、自覚がなく通院していなかった人…などと様々なパターンがあり、それだけで「人それぞれだな。自分に合ったやり方で乗り越えていこう」と前向きになれた。

 

あと、絵がいい。

手塚治虫っぽさや、藤子F不二雄っぽさやらか一緒くたになっていて、「あれ?いま何の本読んでいるんだっけ?」となるのが心地いい。クセになる。

辛さや不安の描写が的確なのに、まるっと柔らかい線の絵柄が深刻になりすぎない。むしろほっこりする。

 

この本だけで鬱は晴れないけれど、この本をきっかけに一歩踏み出せる人、理解して支えてあげられる人は出てくると思う。

 

焦らず、自分に合ったやり方で鬱と向き合っていけば、諦めていた明るい世界が訪れるよ、なんて伝えてきてくれた気がする。